親指の屈伸を利用したピッキングスタイル

親指の屈伸ピッキング 01

名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。

ギターを演奏する右手親指を屈伸させることでオルタネイトピッキングを行う方法があります。

今回はこのテクニックについて様々な角度から考えてみます。

イングヴェイマルムスティーンに代表されるテクニックですが、他の様々なテクニックと組み合わせて使用するスタイルとしても一般的です。

目次

親指の屈伸方法

手首のスナップや上下運動でピッキングするテクニックとは異なり、ピックをホールドした親指を屈伸させることでピッキングする動きです。

親指の第一関節を伸ばすことでピックはダウンピッキング方向に動かすことができ、逆に冒頭画像のように親指の第一関節を曲げることでアップピッキング方向にピックを動かすことができます。

この二つの動作を交互に繰り返す事によって手首、肘などのモーションを利用することなくオルタネイトピッキングが可能になります。

 

親指の屈伸運動とはいっても、ピックを同時にホールドしている人差し指も連動させるため、人によっては親指より人差し指の屈伸運動としてイメージすることもあります。

ピックをホールドする指に力が入りすぎているとスムーズな屈伸運動がやりにくくなってしまいます。

リラックスした筋肉の状態を確認しながら少しずつ練習していきましょう。

演奏・解説動画

 

ピッキングスタイル詳細

実はこの屈伸運動を利用したピッキングは、それ自体で一つのピッキングテクニックとしてカテゴライズされないことが多いのです。

手首のスナップを利用したピッキングや、ハミングバード系の腕の回転を利用したピッキングの時にも使われないわけではありません。

 

手首のスナップで上下運動させたピックが弦に当たる角度をダウン、アップピッキングごとに微調整して、より均一に弦にピックを当てるため、殆どの場合に多かれ少なかれ親指の屈伸運動を利用しています。

ハミングバード系の腕の回転を利用したピッキングの場合、ピックのオルタネイトモーションが大きくなりがちです。

その振り幅をコンパクトに調整するために最終的に親指の屈伸運動でコントロールするのです。

 

このように様々なピッキングテクニックにミックスして使用される事の多い親指の屈伸運動ですが、このモーションだけを使用してオルタネイトピッキングでギターを弾くメリットやデメリットを紹介します。

 

メリットとデメリット

親指の屈伸ピッキング 02

メリット

ピッキング時に手首が殆ど動かないほどのコンパクトなモーションを作ることができるため、非常にスムーズなオルタネイトピッキングのスピードアップに繋げることができます。

また、モーションがコンパクトであるということは、長時間その運動を行っても他の方法より疲れにくいということになります。

つまり、手首のスナップを使ったピッキングに比べ、演奏時間の耐久度が長いという傾向があります。

 

手首のスナップやハミングバード系のピッキングでは、手や指に指輪などのアクセサリーを付けるだけでピッキングの感覚が変化するため、神経質なタイプの人はそれらを極力避けたがる傾向もあります。

対して、屈伸運動を利用したピッキングでは、それをあまり感じることなく演奏できると言われます。

また、ギターの形状やトップのカーブなどで、同様にフィーリングの違いを気にすることもあまりないとも言われます。

デメリット

コンパクトなモーションでピッキングを行うため、ピックをラフに大振りすることで得られるレイキングノイズやジャキっと数本の弦を一度に勢い良くピッキングするといったアクセント系のテクニックの表現時に、ピッキング力に物足りなさを感じることがあります。

また、コンパクトな上下運動が売りであるということは、大きな弦移動が連続するスウィープ、スキッピングテクニックとの併用に限界がないとはいえません。

ただし、これらのデメリットはこのピッキング自体で生まれる制約とも言えます。

フレージングによって、親指の屈伸運動と手首のスナップでの上下運動を切り替えれば何も問題なく、実際にこれらのピッキングテクニックをミックスして使用することで解消されます。

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