エフェクターでクリーンサウンドを際立たせる
名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。
クリーンサウンドについて覚えておくべき大切なルールがあります。
オーバードライブやディストーションサウンドと同様、生のアンプサウンドを指すのではないということ。
つまり、クリーンサウンドとは、必要な機材を使って創り上げる歪んでいないサウンドであり、エフェクターを使っていないアンプのクリーントーンというだけではないということです。
目次
ブースター
クリーンサウンドを創り上げるためのエフェクターとして重要なものが、「ブースター」と言われるエフェクターです。
最近特に人気のある機種を幾つかリストアップしてみましょう。
XOTIC RC BOOSTER
クリーントーンをより太く存在感のあるものにすることができます。
このエフェクターのリリース以降、クリーントーンをブーストさせたギタリストが急速に増えたと言われています。
XOTIC EP BOOSTER
RC BOOSTERよりもさらにクリーントーンに対するブーストに特化した、と言われています。
充分にブーストさせることができかつ、音色が濁るような歪みを避けられるのが特徴です。
あまりに自然にブーストでき、音質が飛躍的に向上するので、一度使うとその後使わないときに物足りなさを感じてしまうほどです。
そのため、多くのギタリストが常時かけっぱなしにしてクリーンサウンドを作っています。
実際に使用するとわかりますが、トランジスタアンプにこれらのブースターを使うと、真空管サウンドのような太く温かみのある音色を作ることも可能です。
ディレイ
「アナログorデジタルディレイ」の代表的な機種は別の記事で紹介済みなので、ここではディレイをどのように使うかというセッティングの例を幾つか説明します。
ショートディレイ
原音に短いディレイ音を1~3回程度加えることで、クリーントーンのメロディやソロを、よりゴージャスに聴こえさせることができます。
ただし、バッキングで使うとゴチャゴチャしてしまうので、十分気を付けて下さい。
ロングディレイ
原音に長いディレイ音を複数回加えます。
(※数秒以上のセッティング例もあります)
さらに、その前にセッティングしたボリュームペダルで原音のアタック音を消すことで、バイオリンのようなロングトーンを作ることができます。
また、このセッティングでコードを演奏すれば、シンセサイザーのようなコードプレイが可能です。
マルチタップディレイ
原音に対し複数の違うディレイ音をセッティングすることで、複雑なリズムでディレイ音を鳴らすことができます。
原音に対して、3~4種類のタイミングでディレイ音をセッティングするギタリストは、ジャズフュージョン系では少なくありません。
最近のハイエンドなエフェクターでは、一台でマルチタップディレイを設定することも可能になりましたが、15年前にはステージに何台も同じディレイエフェクターが並んでいる光景も目にすることができました。
リヴァーブサウンド
原音に対して非常に短いディレイ音を数多くセッティングすることで、リヴァーブのようなサウンドを作ることも可能です。
リヴァーブエフェクターとは性質の違う反響音になるため、ツインギター系ジャズフュージョンバンドでは、一人は普通のリヴァーブエフェクター、もう一人はディレイでのリヴァーブサウンドを使うことで大きくキャラクターを分けている場合もあります。
補足解説
ディレイエフェクターを使うということでも、かなりのサウンドメイクが可能です。
これらのディレイを一台のエフェクターでカバーするには、「STRYMONのTIMELINE」や「EVENTIDEのTIME FACTOR」などのように、5万円を超える機種が必要です。
しかし、少し工夫をこらせば1万円程度のエフェクターを2台使って、ある程度のサウンドはカバーできると言っても過言ではありません。
もちろん細かな設定などは上位機種ほどはできませんが、それでもリハーサル用のエフェクターボードではツアー機材を持ち込むことを避けるため、このようなセッティングを使用するミュージシャンも少なくありません。