ギターのセンス・指が動くのは天性の才能?
「ギターを演奏する上でセンスは必要なのでしょうか?」
「指が自由に動かせるためには天性の才能が必要なのでしょうか?」
スクール生徒からこのような質問を受けることがあります。
多くのギタリストがセンス・才能で悩んだり限界を感じていると思いますが、今回はこれらの点を少し考えてみましょう。
目次
センスの重要度はどれくらい?
ある視点から見る時、センスはとても重要です。
ギターを演奏することを会話になぞらえてみると分かりやすいので、この視点から考えてみましょう。
どれだけ速く正確に話すことができても、話している内容がとってつけたセリフの受け売りだったり、相手の会話をよく聞いていないと、要点がズレたりまとまりがなくなってしまいます。
ギターの演奏も同じで、その時に何をどのように弾くのがベストで、バンド全体のバランスを考えて演奏できるかというアンサンブル能力は、それを考えたことや練習したことの無いギタリストから見るとセンスの問題に思えるかもしれません。
また、どのような音量やダイナミクスがその状況で必要か?
あるいは周りの音を聴き取る聴感的な能力という点においても、それらを考えたことの無いギタリストにとってはセンスの問題に見えます。
センスとは経験値の蓄積である
音楽的にアンサンブル全体を通して俯瞰できるアンサンブル能力や、その時にどのような演奏をすればジャストフィットするのかということは、多くの楽曲をコピーしたり、他の楽器と合わせてギターを演奏する経験値がどれだけ蓄積されているかということです。
それらの膨大な経験から、その状況でジャストフィットする演奏をイメージして演奏できるギタリストが、センスの良いギタリストとして捉えることができます。
というワケで、ギターの演奏にはセンスは必要と言えますが、そのセンスは天性のごく限られた人だけが持っているものではありません。
周りの音を意識的にしっかり聴いてギターをプレイするだけでなく、他のプレイヤーの演奏をしっかり把握する練習や楽曲のコピー、アンサンブル練習の経験を積んで、少しずつ蓄積していけるものだと考えられます。
指が思い通りに動かないのはセンスがないから?
指が動くかどうかに関しては、センスよりも丁寧で正しい練習方法を繰り返さないと上達しないと言えるでしょう。
また、正しいフォームができていなければ、指の負担が増えたり腕がうまく動かせません。
この正しいフォームを手に入れるためには、ゆっくりとしたテンポからの丁寧な反復練習が必要になります。
経験年数が長くても中々指が動かないギタリストは、毎日の練習が雑になってしまっていたり、独学で正しいフォームで演奏できていないのが原因になっている場合が多いので、この点を一度見直してみましょう。
本来のテンポの1.3~1.5倍速で練習する
実戦としてのステージやリハーサルであるテンポで完璧に弾けるためには、普段からそのテンポ以上で演奏できている必要があります。
というのは、バンドで演奏する場合にはテンポが速くなったりすることもよくあるからです。
また、自宅での練習と違って、周りの目を意識すれば当然緊張もします。
誰でも緊張していると本来のパフォーマンスレベルで演奏ができず、指も思い通りに動きません。
そのため、本来のテンポの1.3~1.5倍くらいに対応できるよう練習すれば、演奏中にも余裕が生まれるでしょう。
その余裕が緊張を解くことにも繋がるので、是非覚えておいてくださいね。