スケール(長さ)が違うと何が変わる?
名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。
ギターのナットからブリッジのサドルまでの長さを、「スケール」と言います。
代表的なメーカーによってこのスケールが異なり、その違いが音色や演奏性に影響を与えます。
これから新しいギターを購入する時には、このスケールを知っておくことも楽器選びの一つの知識となりますので、是非とも押さえておきましょう。
目次
ミディアム・ロングスケールの長さ
ギブソンのレスポールなどは約628mmで、これをミディアムスケールと呼びます。
フェンダーのストラトキャスターなどはスケールが約648mmで、これをロングスケールと呼びます。
また、それ以外のミニサイズギターをショートスケールと呼び、ショートスケールは様々なものがあり、それらを一括してこのカテゴリーに入れています。
長さによる違い
スケール(ナットからブリッジのサドルまでの長さ)が、音色や演奏性にどのような影響を与えるかを紹介します。
テンション
スケールが長ければテンションが高くなり、その分ハリのある硬めの音色になります。
逆にスケールが短ければテンションが低くなり、その分ハリの弱い柔らかい音色になります。
音程
スケールが長ければ弦がより張っているので、押弦時に音程がシャープしにくく安定しやすい。
スケールが短ければ弦の張りが柔らかくなるので、押弦時に音程がシャープしやすく、ロングスケールのギターに比べて音程の安定性は弱くなる。
音程の安定度だけを考えると、ギターのスケールが長ければ長いほど有利と言えます。
このため、STRANDBERGなどをはじめとして、最近のギターでは低音弦になればなるほどスケールを長くし、より音程を安定させる設計になっているものも出てきました。
演奏性
ギターのスケールが長ければテンションが高くなるので、弦を押さえるときにより強い力が必要になります。
また、押弦時の力が音程に影響を与える量がより少ないので、コードの安定感を得やすくなると言えます。
ギターのスケールが短ければテンションが低くなるので、弦を押さえるときにより柔らかく感じます。
そのため、押弦時に力んでしまうと、音程が不安定になってしまいます。
フレット間隔とハイポジションの演奏性
ギターのスケールが長ければ、フレットの間隔が広くなり、スケールが短くなればフレットの間隔がせまくなります。
そのため、ハイポジションの演奏性に影響を与えます。
指が太い人の場合、スケールが短ければハイポジションの押弦が窮屈に感じますが、指が細い人ではスケールが短くても、ハイポジションの窮屈さは感じないでしょう。
22フレor24フレの違いは?
当たり前のことですが、どのメーカーでも22フレットに比べて24フレットのモデルの方が、22フレットから先のフレット間隔は狭くなります。
ギターのスケールそのものが変わるのではなく、22フレットの延長線上にフレットが加えられていると考えてください。
そのため同じメーカーのものなら、22フレットのギターに比べて24フレットのギターの方がフレット間隔が狭くなり押さえやすいということはありません。
手が小さい場合の選び方
ギターのスケールが短くなれば、フレット間隔が狭くなり弦のテンションは弱くなるので、成長過程の小中学生や女性の場合はスケールの短いギターを選ぶのも良いと思います。
ただ、音程の安定度を考えると、筋力の強い人があまりテンションの弱いスケールのギターを弾くのは難しくなります。
このことから、手の大きさよりは筋力を考慮してギターのスケールの長さを選ぶと良いと言えます。
とは言え、自分が弾きたいギターを弾くのが一番上達の近道なので、無理に「これを使え」などと決めてしまうのは考えものです。