ジャズギターのフレーズについて考えてみよう
名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。
ギターでジャズを弾いてみたいと思ってギターを始める方もいれば、ある程度ギターを弾いているうちにジャズを弾いてみたいと思う方もいます。
ところがジャズのフレーズはロック/メタルと違い、何を弾いているのか分からなかったり、どのようにして応用すれば良いのかわからずに諦めてしまいがちです。
今回は、ジャズギターのフレーズについて考えてみましょう。
目次
ソロイングのアプローチ
大雑把に分けると、アドリブをとる時には2種類の考え方があります。
一つはキーセンターアプローチ、もう一つはコードスケールアプローチです。
キーセンターアプローチ
楽曲のコード進行から一つのキーを見つけ出して、そのキーで使えるスケールでアドリブをとる考え方です。
(※曲中で転調する場合はそこでキーセンターが変わり、使えるスケールも変わります。)
あるコード進行がCメジャーキーなら、Cメジャースケールでコード進行全体をアドリブします。
全体を統一するスケールでアドリブをとることで、全体のメロディーの流れやリズミックなアプローチを容易にできる反面、各コードに対する細かなケアは大味になります。
コードスケールアプローチ
楽曲のコード進行からキーを見つけ出すことと同時に、各コードに対する使用可能なスケール(アベイラブルスケール)を想定し、各コードに対してそれらのスケールを個別に当てはめていく考え方です。
各コードに対して1個から複数個のアベイラブルスケールを当てはめることができるため、メロディにヴァリエーションを持たせやすいのですが、それらのスケールを自由に取り扱うためにかなりの練習量が必要となります。
ジャズではこの二つのアプローチを併用するため、ロック/メタル的なギターの練習をしてきたギタリスト(キーセンターでソロをとってきた人)には難解に感じることが多いのです。
ジャズギター独特の音使い
先述した通り、ジャズではコードスケールアプローチを多用します。
その中でも、ドミナントコードに対するアベイラブルスケールのヴァリエーションが非常に多く、その全てをコントロールできるようになるまでに、数年かかることも珍しくありません。
ここでは、簡単にいくつかのドミナントコードに対するスケールを紹介します。
・ミクソリディアン
・リディアンb7
・コンビネーションオブディミニッシュ
・ホールトーン
・オルタードドミナント
・ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ
これらのスケールからドミナントコードのテンションにフィットしたスケールを選んでアドリブをとるのですから、フレーズが難解に感じるのも無理はありません。
どのようなテンションの使用中にどのスケールがフィットするかは、より詳細に別の記事で説明します。
アウトサイドフレージング
さらに、ジャズではアウトサイドフレージングを使うことも多いです。
理論上は正しくないスケールやコードトーンを強引に使うことで、その時になっている他の楽器のハーモニーに対して強い緊張感をもたらすことができます。
スコットヘンダーソンやジョンスコフィールドといったギタリストは、アウトサイドフレージングの絶妙な使い方でソロを非常にスリリングなものにします。
また、パットメセニーのようにクロマチックな音列を、狙った音に向かって独特のインターバルで配置するターゲットシステムも、非常に有効なフレージングシステムです。
これらのアウトサイドフレージングについても、詳細に別の記事で説明します。
まとめ
上に説明してきたように、ジャズではキーセンターでのソロイングに加え、多くのアイデアのオプションを使いこなさなければなりません。
これらは習得するために時間がかかりますが、まずは一つ一つのアイデアを確実にマスターしていきましょう。