インレイシールの耐久性・演奏性の違いについて
名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。
ギターのフィンガーボードには、目安となるフレットにポジションマークの「インレイ」があります。
もともとは貝殻や樹脂などをフィンガーボードに埋め込むのですが、最近では様々なデザインのインレイがステッカーとして販売されています。
今回は、このインレイシールにスポットを当ててみましょう。
目次
インレイシールの耐久性
実際に使用してみると、数ヶ月経ってもある程度しっかり張り付いています。
ただ、演奏での剥がれはそれほど問題なくても、フィンガーイーズスプレーやフィンガーボードクリーナーの液でてシールのふちが若干浮きつつある部分もあるので、数ヶ月が限界ではないかと思われます。
また、フィンガーボードの材質によっても耐久性が変わり、ローズウッドなどの無塗装フィンガーボードより、クリアコートされたメイプルフィンガーボードの方が、粘着性が少し高いように感じます。
そして、基本的には複雑なデザインになればその分外縁の長さが長くなって剥がれやすくなるため、よりシンプルなデザインの方が実用性は高いでしょう。
演奏性にも影響する?
フィンガリングのタッチの強さや他の要因によって、シールの高さを感じる差は出てきます。
他の要因とは、フレットの高さやフレットの幅などです。
タッチが強いフィンガリングのギタリストは、押弦した指先がフィンガーボードの表面までしっかりと押さえる形になります。
そうなると、フィンガーボードとシールの高さの差を感じやすいです。
逆にタッチが軽いギタリストは、普段からフィンガーボードまで指先が抑え込まない状態になっているので、ほとんど気にならないという意見もあります。
また、ジャンボフレットのようにフレットの高さが高ければ、強く押弦してもインレイシールの高さは気にならないでしょう。
チョーキング・ビブラートでの演奏性
ここではチョーキングやビブラートでの演奏性について考えてみます。
これらのテクニックを使う時には、フィンガーボードを普段より強く押弦します。
そうしないと弦のサステインが途切れやすくなるのですが、その時にインレイシールの高さが気になるのです。
実際には剥がれない、剥がれにくいと言われていても、「剥がれるのは嫌だなあ」と無意識に考えるだけでも、思い切ったチョーキングがやりにくくなります。
演奏ではメンタルな要因がかなり大きいので、このようなネガティヴな意識を持ちながら演奏すること自体が、あまり良い状態とは言えません。
そのため、「剥がれたら剥がれたでまた貼り直せばいいやー」・・・というくらいの気持ちでインレイシールに期待しているのであれば問題はありません。
そう捉えた上で、スペアのシールをいつも準備しておき、しっかりと押弦することを避けないようにすれば、インレイのデザインチェンジを気楽に楽しめる面白いツールになると思います。