イコライザーの設定にとことん拘る

BOSS EQ-20

名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。

ギターのアンプにはギターの音色を設定する為のツマミやスイッチ等がついています。

また、イコライザーというエフェクターが内蔵されています。

ギターの音色の明るさやベストでちょうどいいバランスを探り、好みの音、目的の音に設定していきましょう。

ここではギターアンプのイコライザーや、グラフィックイコライザーの設定方法について解説していきます。

ギターアンプの設定

アンプ JVM410H

ギターアンプに付いているイコライザーのツマミを見てみましょう。

LOW (ロー)・・・低域
MID (ミドル)・・・中域
HIGH (ハイ)・・・・高域
[Presence(プレゼンス)・・・超高域]

※アンプによってはPresenceがついていないアンプもあります。

 

ギターアンプのイコライザー部分では、3つまたは4つのバンド帯域を操作する仕様のタイプが多く見受けられます。

それぞれのツマミを右に回すにつれて、その帯域成分がブーストされる仕組みです。

では、実際にギターを弾いてツマミを回して音色を設定をしていきましょう。

 

セッティング例

さて、音色の決め方です。

いくつかパターンを紹介します。

1.オールフラットの設定

LOW 5
MID 5
HIGH 5
Presenceはひとまず0-1程度


まずは全てのツマミを真ん中、ツマミの段階が10段階だとしたら全てを5に。

時計でいう所の12時の位置にします。

ツマミを右に回せば持ち上げたい帯域の成分をブースト出来ますし、左に回せば要らない帯域を抑える為のカットが出来ます。

 

イコライザーの設定に慣れていない初心者のギターリストでも音色を操作し易く、設定方法としてオススメです。

ギターアンプの特徴、特性も活かしやすく、ブーストとカットの両方向への調整が出来る為、合理的で多くのギターリストに用いられている手法です。

そこから好みの音に微調整していきます。

シチュエーション別のポイント

シチュエーション別のポイントとしては、ライブは会場の響き方に合わせて臨機応変に変更する場合が多いですが、レコーディングにおいては、ギターのLOWを控えめの設定にする事で綺麗なサウンドに出来る事が多いです。

エンジニアさんにカットしてもらうか、アンプのイコライザーでカットするかは相談して決めるようにします。

Presenceについては効きが良いアンプも多く、上げすぎると耳がキンキンしますので、音がクリアに聞こえる程度で控えめにが基本です。

2.ギターのリードサウンド

LOW 5
MID 7-9
HIGH 7-9
(Presenceはお好みで)


判断基準のポイントは、「中音域の太さと高域の音ヌケの良さ」「聴いていて耳が痛くない程度」です。

また、多くの場合10まで回すと耳触りな音になる事も多いのでここでは9まで。

3.ドンシャリサウンド

LOW 7
MID 3
HIGH 6
Presence 3


中音域を削る事で、LOW低域とHIGH高域を強調させる手法です。

アンプの設定をする上で最も大切な事は、自分が出したいギターのサウンドイメージを頭の中でしっかり持つ事ができるかです。

そのことを心がけて、イコライザーを設定してみて下さい。

 

様々なイコライザー

イコライザーは大きく分けてグラフィックイコライザーとパラメトリックイコライザーと呼ばれるものがあります。

音色の調整をするエフェクターとして、レコーディングスタジオのエンジニアやライブハウスの音響においても、両方とも常時扱われます。

ギターでも、コンパクトのペダルタイプのものからラックタイプのものまで、色々なメーカーから製品として市販されています。

 

グラフィックイコライザーは、ギターアンプのような「LOW/MID/HIGH/Presence」よりももっと細かな単位でのイコライザーの設定が出来るという利点があり、ライブやレコーディングを沢山される方ならばお気に入りの1台を持っていて損はないものです。

柔軟な音作りができて痒いところに手が届くので、音にこだわるギターリストにとっては重宝するエフェクターです。

ここではグラフィックイコライザーを紹介します。

グラフィックイコライザー

BOSS EQ-20

基本的にギターアンプのイコライザーのツマミの単位をさらに細かくしたもの、と認識して構いません。

低域から超高域にかけて細かな微調整の設定が可能です。

低域から高域まで全ての帯域の音量をコントロール出来るフェーダー型のツマミが並んでいますね。

 

まずは、「ギター>グラフィックイコライザー>ギターアンプ」の順でケーブルで繋いで音を出してみましょう。

使い方の基本として、アンプの設定でなるべくベストな音作りをする事が先決です。

それでも設定し足りない部分をイコライザーで補います。

あくまでアンプの設定を補助する役割として捉える事がポイントです。

 

実践的な使い方

では、使い方のパターンの紹介です。

1.まずは全てのツマミをセンターに

エフェクターの中央に目印線があります。

そのセンターラインを±0として、ツマミを横一線のフラットに。

そこから音色の設定します。

MXR M108 10BAND EQ

基本的に、グラフィックイコライザーはブーストよりもカットをメインにして使う事をとてもオススメします。

ブーストならば、オーバードライブ等のエフェクターのトーンコントロールなどでブーストしたり、アンプ側でセッティングした方がサウンド的にも音楽的にも良い結果が得られる事が多いです。

2.要らない帯域成分をカット

最も効果的な使い方は、オーバードライブ等で派手にブーストした際の耳触りな音の成分だけカット、またはライブ会場に合わせてハウリングしやすい部分の帯域だけをカットする使い方がオススメです。

3.中域を細分化する

MID 中域を細分化して、中低域、中高域を微調整する方法です。

ギターアンプでは「LOW/MID/HIGH/Presence」の4つしか操作出来ません。

しかし、グラフィックのイコライザーを使えば、それを更に細分化したコントロールが出来ます。

 

主にLOWとMIDとの間の中低域、MIDとHIGHとの間の中高域を調整します。

アンプで出来ない設定を補う使い方と考えると、このアプローチがベストです。

具体的な方法論として、ひとつ例を挙げてみます。

具体的な方法論

1.まず、LOW 低域をカットします。
一番左の100Hz以下のフェーダーを全部下げてみましょう。
サウンドが軽くなったと感じる程度な所まで下げます。

2.その後、LOW-MID間からMID-HIGH間にかけてのどこかになだらかに山の形を作ります。

3.ここでは中低域の200Hz~500Hzが山の形になるように少しずつブースト、そして300Hz~400Hzあたりが山の頂上になるような形にしてみましょう。


このアプローチは、歌もののギターのレコーディングによく用いられる、ライトなギターサウンドに設定するテクニックです。

また、中域のどのポイントを山の形を設定する事によってギターサウンドの重心が変わりますので、お好みに合わせて自由に変えてみて下さい。

 

このアプローチは低域をカットして音作りする事でギターサウンドが軽くなり、低周波の長い余韻が減り、中域を少しブーストする事でリズムがタイトに聴こえてくるようになります。

中低域、または中高域のどこかに山の形のピークを作るのがコツです。

また、注意するべきポイントとしては、歌モノの音楽であれば歌を邪魔しないバランスを心がけることです。

かつギターの魅力が感じられる設定が両立するように模索、実践してみて下さい。

 

総括

レコーディングエンジニアから見た観点で、ギターという楽器はイコライザーによって重心を変える事で、音色がとても激変する楽器です。

ギターならではの美味しい響きの成分を強調してあげたり、バンドの編成やライブ会場に合わせて聴きやすくなるような設定をしてあげる事で、一気に魅力が増します。

自分の頭の中でイメージしたサウンドを追求するのはもちろんですが、お客さんが聴いていて耳触りでなく心地よくサウンドするギターサウンドの両立を追求して、ベストな設定を目指しましょう。

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