ポールギルバートのピッキングなどのギターテクニック
今回は、ポールギルバートのピッキングなどのギターテクニックに焦点を当てて解説します。
「RACER X」、「Mr.BIG」をはじめとして、ソロ作品や他のミュージシャンのアルバムへのゲスト参加など、数多くの作品を残してきたポールギルバート。
ポールギルバートのギタープレイの特徴と言えば、圧倒的なテクニックとそれを理路整然と消化したシステムです。
そのポール式システムに焦点を当てて、テクニックを取り入れるヒントを紹介します。
目次
ポールギルバート流リフプレイ
八分音符系のリフパターンで、ペダルミュートの音をダウンピッキングして、コードをアップピッキングで弾くという特徴があります。
そのため、ダウンとアップが繰り返されるオルタネイトのパターンになっていません。
このようなシステムを取り入れることで、ピッキングが常にダウンから始まるオルタネイトでなければいけないという先入観を外すことや、インサイドピッキング・アウトサイドピッキングの区別なく演奏できるようになります。
ワンポイントアドバイス
このリフでは、6弦のペダルを親指で押弦して右手はブリッジミュートします。
この6弦の演奏時と、それ以外の弦でのコード演奏時に音が重ならないようにすることが大切です。
この場合、6弦を押弦している親指を注意してみると、コード演奏時には押弦する力を減らして軽く浮かせていることが分かります。
このようにして、コード演奏時に6弦のサウンドが出ないようにしているのです。
アウトサイドピッキング
この動画でのフレーズは、ポールが頻繁に使うピッキングシステムである、アウトサイドピッキングでのフレーズです。
このフレーズはインサイドピッキングでも演奏できますが、ポールギルバートはアウトサイドピッキングで演奏します。
リズムの頭がダウンピッキングでないといけないという意識ではなく、フレーズがアウトサイドピッキングで演奏できるようになっていれば、アップピッキングからピッキングが始まっても良いという考え方です。
アップピッキングの1音目にアクセントをつけます。
アウトサイドピッキングでこのパターンを演奏することで、高い音程の弦がアップピッキングの高いアタックで弾くことができ、低い音程の弦をダウンピッキングの抑制された音色にすることができます。
インサイドピッキングでのフレージングと比べて、よりメリハリ・アクセントのついたフレージングにすることが可能です。
ワンポイントアドバイス
アウトサイドピッキングをうまく行うコツは、隣接弦でもスキッピングであるというイメージをしっかり持つことです。
1、2弦のパターンでもアウトサイドピッキングなら弦をまたいでいます。
そのイメージを持たないと弦を上手くまたぐことができずに、両方の弦をピッキングしてしまいます。
レガート&フルピッキング
ポールギルバートのフレージングシステムに、レガートとフルピッキングを混ぜたハイブリッドアプローチがあります。
全ての音をフルピッキングした場合と比べて、よりスムーズでスピーディに聴こえさせることができるのが特徴です。
一つのポジションだけでなく、そのピッキングパターンをキープしながらスケール的にポジションアップすることで、よりポールギルバートのカラーを出すことができます。
フレーズの開始点を様々な音に置くことで、ポジションチェンジが簡単になることもあるので、いろいろと試してみてください。
ワンポイントアドバイス
ピッキングのコツですが、まず普通にオルタネイトピッキングでゆっくりからフレーズを弾けるようにしてください。
そして、そのピッキングと同じテンポ感と音量の粒を揃えることを意識して、ハイブリッドアプローチで弾いてみましょう。
スキッピングテクニック
スキッピングを明確にシステム化して、広汎なテクニックにしたのがポールギルバートです。
今回の1・3・4弦を組み合わせたパターンは、2・4・5弦で全く同じ形で演奏することができます。
メジャー、マイナーのパターンで確実にマスターしましょう。
ワンポイントアドバイス
ピッキングに関しては、オルタネイトでシンプルに弾けば自然にアウトサイドピッキングになっています。
各弦に対してしっかりとストロークを振り切るというイメージではなく、軽くチョンチョンと弦に当てていくイメージにすると、スキッピングの感覚を捉えやすくなります。
左手のフィンガリングフォームは、自由度が高いクラシカルフォームがオススメです。