ピッキング&右手の位置はどこがいい?
名古屋の音楽教室「REAL PLAYER’S SCHOOL」です。
ギター(エレキギター)を演奏する右手はどの位置でピッキングすれば良いのでしょうか?
実はココという正解はありません。
弦が張ってある様々な場所(場合によってはナットとペグの間まで)を弾いて、様々な音色を得ることができます。
今回は状況に応じたピッキング&右手の位置を解説します。
目次
ピッキング位置について
音の違い
一般的にエレキギターの場合、22フレット(24フレットギターの場合は24フレット)のフィンガーボード末端からブリッジの間をピッキングします。
(※例外的なピッキング位置については後ほど紹介します。)
この場合、ブリッジに近くなればなるほど音質はカリカリと高音域が強調されたトレブリーな音になります。
これに対して、ブリッジから離れれば離れるほど音質は丸くなっていきます。
演奏性の違い
ピッキング位置を変えることで、ピッキング時の感触も変わってきます。
ブリッジに近ければ近いほど、ピッキングに対する抵抗を強く感じられます。
逆にブリッジから離れていけば、ソフトに感じられます。
弦の振動幅を考慮する
ピッキングの位置を考える際に覚えておくと良いのが、弦の振動幅です。
これは押弦した位置とブリッジの中間部を最大幅にして、ブリッジに近づいていくと振動幅は小さくなります。
このことから、振動幅の大きい位置でピッキングすると弦振動幅が大きくなるため、「コンパクトかつハイスピードなピッキングをしようとすると弦が逃げてしまう」、と感じるギタリストが多いです。
これに対して、ブリッジ寄りにピッキング位置をおくと弦振動幅は小さくなるので、弦の逃げる感触が軽減されます。
基準とするピッキング位置を決める
上記の事を考慮して、まず自分の通常のピッキング位置を決めると良いでしょう。
ハイスピードなピッキング中にも弦が振動で逃げず、カリカリなトレブリー過ぎる音質にならない丁度いいポイントを、実際に練習しながら地道に探していきます。
そして、自分の通常のピッキング位置を決めておいた上で、フレージングのニュアンスを変更したい時には前後にピッキング位置を調整して、音色を微妙に変化させると良いでしょう。
一歩先行く活用法
先に述べましたが、例外的なピッキング位置をわざわざ使って特殊な効果を得る場合もあるため、今回は2つほど紹介します。
特殊効果例1.
イントロ、アウトロやバッキングのフィルインなどで、押さえたコードを極端にブリッジ寄りの位置で1弦から6弦に向かい、軽いタッチでタイミングをずらして鳴らす事で、「琴」のようなサウンドが得られます。
特殊効果例2.
特定のピッキングハーモニクスを得るために、ピッキング位置を調整したりします。
押さえたフレットとブリッジの間の1/2,1/3,2/3,1/4などの距離に様々なハーモニクスポイントがあります。
そのハーモニクスポイントをわざわざ狙ってピッキングすることで、同じフレットを押さえていても様々な音程をハーモニクスとして得ることができます。
ボディに対しての右手位置
右手をボディに固定するかどうかによって、様々なメリット・デメリットが生まれるため、いくつかをリストアップします。
肘部分で右手を固定する場合
肘から先のストローク、ハミングバードなどのように比較的動きの大きなモーションでも安定させることができます。
しかし、使用するギターが変わったり、ストラップの長さが変わったりするように演奏のフォームが変わってしまうとピッキングバランスが大きく変わってしまい、慣れるまでに少し時間がかかるという面もあります。
ブリッジor低音弦の上で右手を固定する場合
使用するギターが変わったりしてもブリッジという接点さえあれば、ギターの形状に関係なく安定したフォームをキープできます。
また、コンパクトなピッキングフォームを持続させやすいので、シュレッド系のテクニックには向いています。
逆に、大きな振りを必要とするコードストロークやファンクのカッティングなどのスタイルには向いていません。
また、フローティングブリッジを使う場合、右手の置き方に気をつけないと音程をシャープさせることになります。
右手薬指・小指をギターに付ける場合
コードアルペジオを正確なリズムで演奏したり、特定の弦を狙ってピッキングしやすいです。
その反面、ダウンピッキングとアップピッキングの力の入れ方をコントロールする練習が必要になります。
ダウンピッキングのときには薬指、小指がダウンピッキングを妨げる方向に突っ張り、アップピッキングでは同じ指がピッキングの動きを引っ張ることにもなるからです。